まず確認すべきこと
フライトが遅延したり欠航したりしたとき、EU域内またはEU発の便を利用した場合には、航空旅客の権利に関するEUの規則によって保護されています。対象となるのは、EU加盟国の空港から出発するすべての便と、EU加盟国の空港に到着する便のうち、EUの航空会社が運航するものです。アイスランド、ノルウェー、スイスもこの枠組みに含まれます。
まず自分の状況がこの範囲に入るかを確認しましょう。搭乗券と予約番号が分かれば、出発地と航空会社の本拠地で判断できます。
遅延した場合に受けられる支援
遅延の長さに応じて、出発地の空港で航空会社から無償のケアを受けられます。遅延が長引くほど、提供される支援は充実します。
- 食事や飲み物の提供
- 電話やメールができる手段の確保
- 待ち時間が夜に及ぶ場合はホテルの宿泊と空港までの移送
これらは航空会社のカウンター、またはその空港での代理業者に申し出て受けます。自分から請求しないと提供されないことが多いので、遠慮せず申し出てください。
欠航した場合の選択肢
便が欠航したときは、次のいずれかを選ぶ権利があります。
- 返金(利用しなかった区間も含めて全額返金)
- できるだけ早い代替便への再予約
- 後日の都合のよい日への再予約
代替便を提案されても、条件が自分に合わなければ返金を選べます。返金を受け取った後で再予約を求めることはできないので、今後の予定と相談して決めましょう。
補償金が支払われる条件
到着の遅れが目的地への到着時刻で判断される点に注意してください。欠航で代替便を利用した場合や、大幅な遅延で到着した場合は、到着が基準より遅ければ補償金の対象になります。基準は飛行距離によって段階的に定められており、中間着地を経由しても最終目的地の到着時刻で判断されます。
補償金が支払われない主な例外は次のとおりです。
- 悪天候、航空管制の問題、セキュリティ上のリスクなど、航空会社に責任のない異常な事情
- 事前の通知があった場合
- 技術的な問題は原則として航空会社の責任とみなされるため、補償の対象になります
補償金と返金は別のものです。返金を受けた場合でも、状況によっては補償金を請求できることがあります。
請求の手順
補償金は自動的に振り込まれることは少なく、自分で請求するのが基本です。手順は次のとおりです。
- 搭乗券、予約確認メール、遅延や欠航の証明になる書類を保存する
- 空港で遅延の理由や到着時刻を書いた証明をもらえれば入手する
- 航空会社のウェブサイトにある補償請求フォーム、またはカスタマーサービスの窓口に連絡する
- 便名、日付、予約番号、求める補償の内容を明記して送る
- 返金の場合は、キャンセルできない宿泊や現地ツアーの領収書も添えると話が早くなります
請求に対する航空会社の回答には時間がかかることがあります。書類を整理して、やり取りはメールで記録を残しておきましょう。
回答がない、拒否されたとき
航空会社が応じない、または拒否した場合は、出発地または到着地の国の監督機関に苦情を申し立てられます。どの機関が担当かは、各国の航空当局や消費者保護庁のウェブサイトで確認できます。国によってはオンラインで手続きできる仕組みが整っています。
また、異常な事情を理由に拒否された場合は、その判断の根拠となる事情の説明を求めてください。説明が曖昧なまま拒否されているケースでは、監督機関への申し立てが有効です。
旅行保険とクレジットカードの補償
航空会社の補償とは別に、旅行保険やカード付帯の補償が使える場合があります。遅延による追加費用や、欠航で使えなくなった予約の費用をカバーする特約があることがあります。保険会社やカード会社の約款で、補償の範囲と請求に必要な書類を確認しておくと安心です。
出発前の備え
- 運航状況は出発前に航空会社のアプリや空港の情報で確認する
- 連絡先のメールアドレスと電話番号を予約に登録しておくと、変更の通知が早く届く
- 接続便を含む旅程では、できるだけ余裕のある乗り継ぎ時間を選ぶ
- 重要な領収書と書類は一枚にまとめておく
遅延や欠航は突然起こりますが、EUの規則の下では航空会社に明確な義務があります。落ち着いて権利を確認し、書類を残して請求すれば、本来自分が受け取れる対応と補償を得られます。